ねらい

出土物から当時のくらしや政治について深く知る事ができる。

内容

奈良県の平城京跡で、発掘調査が進められていた1980年代後半、大きな発見がありました。天皇の住まいなどがあった平城宮(へいじょうきゅう)からほど近い場所で、瓦や土器、金属製品などと共に、3万点を越える膨大な数の『木簡(もっかん)』が出土したのです。木簡とは、細長く平らに削った木に字を書いたものです。紙が貴重品だったこの時代、日常的に使われていました。特に、品物を送る時の荷札として、重宝していたようです。例えば、これは、当時大きな権力を持っていた長屋王(ながやおう)あての荷札です。木簡に書かれた文字を読み解くと、当時の各地方の特産物を知ることができます。備前国(びぜんのくに)は、現在の岡山県です。瀬戸内海で獲れたクラゲが運ばれていたようです。伊予国(いよのくに)、愛媛県からは、鯖が送られてきました。今でも、愛媛県西の豊後水道(ぶんごすいどう)で獲れる鯖は、有名な特産品です。

木簡
平城京のあとから発掘された木簡によって、当時の様子がわかってきました。